基準の彼女
「茅ヶ崎に行ったら、基準の彼女のことを思い出しちゃうよ」
思わず言ってしまって、しまったと思った。
隣でイマカノがちょっとスネた顔をする。
彼女と付き合って、1年目の記念日。
お互いの過去の恋愛の話になり、
聞き上手な彼女につられて、俺は意気揚々と話てしまった。
酔っ払ってよく覚えてないけど、
モトカノのことを、
「その子が今でも俺の基準になってるんだ
という言い方をしてしまったらしい。
それ以来、彼女からは、
「基準の彼女のときはどうだったの?」
と聞かれるようになった。
もう、別れて7年にもなるのに。
最近彼女にいろいろ聞かれるせいで、思い出す機会が増えている。
1年半付き合って、一度別れて、
1年半間をあけて、また1年半付き合った。
別れは突然だった。
俺が悪いんだ。つい出来心で、浮気をしてしまったのだ。
でも、絶対バレない自信があったのに。
彼女に言われて、何故バレたのかわからず、呆然となってしまった。
証拠なんて、何もなかったはずなのに。
その場で部屋の鍵は返した。
彼女から借りたままのDVDは今も部屋にある。
別れたくなかったよ。好きだったんだ。
「三度目の正直なんてやめてよ」
イマカノが言う。
俺がヨリを戻すことを恐れているようだ。
元気でいるかな。きっと、結婚しているだろう。
最近これだけ話題になるので、どこかでバッタリ会いそうな気はしてる。
でも、ヨリを戻すなんて、とんでもない。
とりあえず、会ったら俺は土下座だな。
PR